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榛名無名雑感
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第67号 自分を大切にしろ
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 花はいつも美しい


  何年か前のことです。 教師生活をしていた私は、 警察署の会議室である会合があったので出かけたことがありました。 会議室に行こうとして、警察署の階段を何階か上がって廊下を歩いていました。 すると、近くの部屋で刑事さんが、高校生ぐらいの一人の少年を、大声で叱っているのが聞こえてきました。

  廊下に聞こえてくるようなところでお説教しているくらいですから、 犯罪というのではなく、 ただ補導でもされてお説教されているのだなとすぐ推察できました。
  内容はよくわかりませんでしたが、 その刑事さんは、 まことに真剣に厳しく叱っていました。
  叱られている少年は、 もちろん顔はわかりませんが、 その声からしてかなり怯えている様子でした。

 
 ほんの数秒のことでしたが、 私はその様子を聞くともなしに聞きながら、 このように本気で叱られる、 あるいは本気で叱るということが、 子供にしても大人にしても体験として今の社会には少なくなったような気がしていました

  
 今の世の中は、 良いことと悪いことの境がはっきりしていないのでしょうか。  叱る側も時には叱る理由のどこかに曖昧さがあり、本気で叱っていないのかもしれません。叱られる側も、言い逃れ、言い訳がどこかにあるのでしょう。  
  
  

  その警察署で少年を叱っていた刑事さんは、 あまりにも大声だったので、その言葉は実際のところ聞き取りにくかったのですが、 一言だけ、「もっと自分を大切にしろ!」 と言った言葉が私の耳に残りにました。  君には将来がある身じゃないか。 ここで道を踏みはずわけにはいかないじゃないか、 というのです。  まことに愛情に満ちた言葉に思えました。

  
   私達は、 瀬戸際のところで、本当に自分を大切にしなければならない。 そのために、私たちの瀬戸際を本気で叱ってくれるものがあるならば、 私達は感謝を持ってそれを受け入れるものでありたいと思います。  叱られていたその少年は、 「自分を大切にしろ!」というその言葉に、 ひときわ大きく 「はい」 と返事をしたのも、今も心に残っています。

 
  定年退職をしてから数年、 再び、教育に関係する小さな職を得ました。  なぜか、「叱る」「叱られる」の大切さを、ふと、思い出したのでした
               (拙著『ミッションに立つ学校から』より)




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